いちてるの学舎

世界で働く中で知ったこと、学んだことを発信していきます。

きっとうまくいく

~All is well~

  • 口ずさめば、何とかなるって-

自分の人生において問題が生じたことはありますか。
「逃げ出したい」「目も耳も塞ぎたい」ようなことに遭遇したことはありますか。
答えはイエスオフコース。僕たちってそんなに強くないから。
事態の最悪を想定し、怒られないように言い訳を見つける旅に出るのです。

インドに住んで半年。「人生変わるぜ」なんて言うけれど、自分の選択の積重ねが生き方ならば、「人生変えたぜ」でいいんじゃないかな。人生の予想なんて正確ではないし、変わったかどうかなんて量れない。きっとそれは自分の捉え方次第で、納得の度合いに依りけり。

 僕は何かトラブルが目の前に降ってきた時、いつも大切に口ずさみたくなるちょっとした魔法の言葉をインドで見つけ、使いこなしています。

All is well.

全てはきっとうまくいくんだよ!って。

「きっとうまくいく」という邦題がついているインド映画。心がとっても動かされます。
人生のたいていのことは何とかなるって思えるのってとっても強くないですか?
劇中の逸話では、ある村の夜警の人がいつも大声で「All is well」と叫んで巡回していたそうで、人々はおかげさまで安心して暮らせたが、その夜警の人は盲目だったとか。

 僕はこの「きっとうまくいく」というスタンスを確立できてちょっと生きやすくなりました。半年ぶりにですが、何かみなさんにお届けできればと思い、筆を進めていこうと思います。ちょっとでもみなさんの毎日の勇気に繋がればそんな嬉しいことはないですね。

  • つらかった、弱音も言いたかった -

 2050年には世界で2位のGDPになると予測されているIT大国インドは、学生の1/4は起業を志す世界でも有数の理系校インド工科大学。実際に生活し始めて思ったことは、「デリーって首都だよね?住み良くない。」町はゴミが散乱し汚く、異臭と熱気で不快さを感じ、クラクションの音が昼夜問わず響き渡る。毎日カレーかインドの味がする中華料理で、パクチーにうんざりし、お腹が日に日に崩壊していく。人々は親切なのか、暇なのか、厚かましいのか分からないが、関わると心身ともに疲れが生じ、休まるはずの家では、日本で贅沢の極みを尽くしている僕たちの生活習慣を正すべくオーナーのパパがしかめ面で待っている。(電気と扇風機のつけっぱなしで散々怒られました)

きっとバックパックやボランティアなどで実際に世界のローカルで生活する人たちは「行動力がある」とか「勇気がある」しばしば「変わった人」なんて評されるのだろうけど、そんな異国の地へ惹かれて飛び込んでいく人たちを、自分とは程遠い人たちだと思っていました。初任地の辞令が出るまでは。「インドに行ってほしい」

日本と違うところを上げればきりがないし、今までと同じような生活をしようと思えば到底住めたものではないです。分けわからないくらい貧しそうな人々がうじゃうじゃいる病院で、過去に血がついたんだとはっきり分かるシーツがひかれているベッドで、もがき苦しんで診察を受け、清潔なのか藪医者じゃないなのか心配になりながら注射や点滴を受けたぶるぶるな経験とお腹の痛さを味わった僕は、いかに日本が住み良いのかを文字通り痛感した訳です。

ただ自分の選択で、赴任して会社の使命を預かっている以上、インドから逃げるなんていう選択肢は論外ですし、むしろ僕自身が成果を発揮するために、スタッフにインドを成長の場所として提供していくためにも、インドでやりがいを持って、活き活き働く社員でなければなりません。そこで「インドを楽しんでいる」スタッフの共通点を探してみるようにしました。簡単なようですが、渡航者のみんながみんな、出来ているわけではなかったのです。

  • 笑い飛ばせることはこころが余裕なんだ-

渋滞していると後ろのトゥクトゥクが前のトゥクトゥクにぶつかりながら押している光景、スーパーの前に牛が十数匹いて入ることをためらいます。夜行バスにのっていると道に定期的に突起物がありそのたびに体が宙に浮き、タクシーの運転席から唾を吐くドライバー、カウンターに足を投げ出して寝ているカフェの店員、映画館上映前に流れる国歌斉唱、到着が予定より数日遅れるAmazon、たくさん人を乗せるためのドアのない電車、ガソリンのエンプティランプがついているのに1時間絶対にスタンドによらず目的地までたどり着く運転手。列の横抜かしは日常茶飯事、スタバでの喋り声のうるささはきっと世界一。日本人相手にヒンディー語でめげずに喋りかけてきます。英語は訛りが強めです。汚い手でいつもカレーを食べています。

普通だったらいらいらして、受け入れられないものです。でもインドを楽しめるスタッフはそれを笑っていたし、状況を深刻に捉えないし、文句を言ってなかった。

「自分基準のものさし」しか持っていないのはとてもイケてない。

でもそれに気づけて見方を変えてみると、笑えてくるときが来るのです。
きっと何とかなるし、これまで何ともなってないことに気づくからです。

心に余裕をもつことが、問題を正しくとらえる秘訣だったのです。

  • きっとうまくいく-

仕事で上司に叱られた日。恋人と上手くいってない日。家族と大喧嘩した日。ものが壊れた日。自分の人生の先行きに不安になったとき。そんな些細なことでも、何もかも嫌になってしまうことは多々あるはず。

 でも上を向いて歩いて、自分を見つめ直すことでやるべきことが見えてくる。
自分の見方を変えれば世界は一変するはず。きっとうまくいくのです。

 “All is well”と大きな声をあげよう。